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中年期の発達課題と精神障害—ライフサイクル論の観点から—第1回
著者: 佐藤哲哉1 茂野良一1 滝沢謙二1 飯田眞1
所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.732 - P.742
文献購入ページに移動中年期とは,人生の一年代であり,その範囲は一般には40〜60歳であるといわれている。しかし,人生の年代の境界を厳密に定義することはたいへん難しい問題である。しかも「中年(middle)」ということばが示すように,中年期の本質には付加価値的要素が多く,その概念的把握はとりわけ困難がつきまとう。
中年期をその特有の出来事life eventによって特徴づける考えもあろう。確かに,人生の前半のlife stageの境界づけには,それがよくあてはまる。たとえば,2次性徴のはじまりは,児童期から前青年期の境界であるとされる。中年期にも,職業,家庭などを巡り,その時期特有のlife eventがある程度予想はされる。しかし,そのようなlife eventが,人生の前半のlife stageほど厳密に中年期を定義づけるとも思えない。中年期におけるlife eventがどの順序でいつ起こってくるかには,余りに個人差があるし,また原則としてそれらのlife eventは他の年代でも生じうるものであるからである。
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