文献詳細
研究と報告
Somatoparaphrenia(personifizierende Anosognosie)の1例
著者: 臼井宏1 浅川和夫1
所属機関: 1日本大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.771 - P.779
文献概要
麻痺側の人格化は右半球機能の単なる欠落症状の結果とも,医師-患者関係の産物と考えにくい。それは,右半球の病巣により生じた左半身の欠陥を無自覚のまま,自己の身体空間像と外界との関係を知的に理解しようと努める結果生ずる,左半球による判断の誤りと考えられる。つまり,人格化は言語機能の保持されている左半球の産物であり,左半球損傷による右片麻痺に対する人格化が例外的なのはこのためと考えられる。
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