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研究と報告
病初期から発語障害が目だつ初老期痴呆
著者: 三山吉夫1
所属機関: 1宮崎医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.781 - P.788
文献購入ページに移動 抄録 初老期痴呆群の初期症状として自発言語の障善が目だった4症例(男2例,女2例)を報告した。それぞれの臨床診断は,分類困難な症例3例とPick病疑1例であった。初期精神症状として,動作緩慢,注意集中困難,人格水準低下などの痴呆症状の発現と同じ時期に自発言語の減少がみられ,進行性に経過し,数年以内には自発言語は残語・消失の状態となった。自発言語が減少・消失した時期でも,言語了解,周囲状況の把握はよく保たれていた。CTスキャンで前頭葉脚部(とくに左側に目だつ)の萎縮が認められ,これらの症例にみられた自発言語の障害に関係がある,と考えた。自発言語の減少,消失病態は,発動性欠乏や言語概念の貧困化によるものよりは,皮質性運動失語の要因がより大きい,と考えた。
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