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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻8号

1986年08月発行

研究と報告

けいれん発作と多彩な精神症状を呈した—Chorea-acanthocytosisの1例

著者: 内藤明彦1 長谷川まこと1 梶鎮夫2

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室 2国立療養所寺泊病院

ページ範囲:P.897 - P.906

文献概要

 抄録 Chorea-acanthocytosis(以下C-Aと略す)は末梢血液中に有棘赤血球を認め,多彩な精神神経症状を呈する疾患である。我々はけいれん発作で初発し,様々な精神神経症状を示し,次第に痴呆化傾向をたどってつる45歳女性のC-A症例を報告した。
 本症例は31歳で全般性強直間代発作をもって初発した。強直発作,失立発作,精神運動発作様現象もみられた。神経症状としては,口部ジスキネジア,頸部,躯幹の舞踏病様運動,足関節のアテトーゼ様運動などを認めた。せん妄,抑うつ,多幸,人格変化,被害・関係妄想,幻視,体感幻覚,自傷,自殺企図などの多彩な精神症状が出現した。徐々に精神機能の低下,緩慢化が目立ってきて痴呆状態に至ったが,その痴呆は皮質下痴呆の概念にあてはまるものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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