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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻8号

1986年08月発行

研究と報告

失外套症候群に対するアマンタジンの臨床効果と脳波学的研究

著者: 堀口淳1 溝渕睦彦1 稲見康司1 柿本泰男1 正田孝明2 内田宏3

所属機関: 1愛媛大学医学部精神科神経科 2愛媛大学医学部附属病院中央検査部 3八幡浜市医師会立双岩病院

ページ範囲:P.907 - P.915

文献概要

 抄録 失外套症候群の2症例にアマンタジンを投与し,著明な臨床効果と脳波変化とを認めた。2症例とも言語刺激に筋運動を介して応答できるようになり,視覚誘発電位で振幅の増大と一部頂点時間の短縮を認め,脳波では徐波成分の減少とα波成分の増加を認めた。L-DOPAの単独投与では臨床効果および脳波変化を認めなかった。
 本研究は失外套症候群は必ずしも不可逆性でないとするKretschmcr8)の指摘を確証し,さらにアマンタジンはL-DOPAとは異なり,網様体賦活系—大脳皮質にも作用し得る可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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