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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻8号

1986年08月発行

研究と報告

持続性部分てんかんの2例について

著者: 横山尚洋1 原常勝2 龍倫之助3 高木洲一郎4

所属機関: 1大泉病院 2駒木野病院 3虎の門神経科龍医院 4慶応義塾大学精神神経科

ページ範囲:P.929 - P.936

文献概要

 抄録 持続性部分てんかん(EPC)を呈した2例を報告した。第1例は明らかな器質疾患を伴わずに右手に限局したけいれんが13年間持続している例であり,第2例は癌性髄膜炎の経過中に左顔面〜左半身のけいれんを呈した例であった。脳波では第1例では対側頭頂の局在性棘波,第2例では周期性放電が認められた。EPCについてはその概念に種種の見解の相違がみられ混乱している点が指摘されている。従来の文献例からEPCの概念の変遷を考察するとともに自験例に基づき,重篤な脳病変を伴わずに部分けいれんが持続し皮質起源が想定されるtype Ⅰと,進行性脳病変の経過中にみられ皮質,皮質下の広範な病変が想定されるtype Ⅱの2型に分類し,両者の臨床的意義や発現機構には相違があり両者を区別する必要を指摘した。臨床的な頻度はtype Ⅰは稀であり狭義のKozhevnikov症状群はtype Ⅰに相当すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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