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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻8号

1986年08月発行

短報

炭酸リチウム投与によると思われる洞機能不全および心筋障害の1症例

著者: 門馬康二1 久松正美1 穴沢卯三郎2

所属機関: 1日本大学医学部精神神経科教室 2竹田綜合病院精神科

ページ範囲:P.957 - P.960

文献概要

I.はじめに
 炭酸リチウム(以下Liと略記する)は感情障害の治療薬として本格的に用いられるようになってから約16年たつ。本剤は有効血中濃度と中毒濃度とが近いというリスクがあるが,血中濃度に注意するかぎり,重篤な副作用を来す可能性はないものとみなされている。しかし,有効血中濃度の範囲内であるにもかかわらず洞機能不全が出現するという報告も内外にあり,Li治療中の定期的なECG検査の必要性が指摘されている。最近われわれはLi治療中に一過性の重篤な洞機能不全が出現したうえ,心筋炎と考えられる所見を呈した症例を経験した。Liによる心筋炎については本邦では今日まで報告されておらず,外国にもわずかしかない1,19,22,23)ので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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