文献詳細
動き
国際懇話会パリ:現象学,精神医学,精神分析,Ludwig Binswanger印象記
著者: 鈴木國文1
所属機関: 1Marseille大学精神科
ページ範囲:P.970 - P.972
文献概要
まず主催者であるP. Fedidaとパリ第7大学について簡単に触れたい。現在フランスにおいて,精神分析がいわゆる正統派とLacan派の二極に分かれる中,ある時期までLacanとともに活動し,その後Lacan派と袂を分けたLaplancheが率いるパリ第7大学は,Lacanの思想を吸収しつつ大学で活動している正統派としてパリⅦ派と呼ばれ,雑誌“Psychanalyse a L'Universite”を刊行し,また多くの充実した出版物を出し,今後の精神分析の動向を握る大きな影響力を持っている。この雑誌“Psychanalyse a L'Universite”の編集委員の一人であるP. Fcdiclaは哲学教授資格を持つ分析家であり,主著“L'Absence”をはじめ多くの著書がある。Binswangerの名を冠する学会が,精神分析家によって開催されることは,精神分析と現象学とを二分して考える視点から見るとやや意外であるが,この国における精神分析が実に広い基盤の上で活動しているという事実を良く反映している。
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