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研究と報告
2年間緘黙状態にあった一破瓜病患者への精神療法的接近
著者: 平井孝男1
所属機関: 1淀川キリスト教病院精神神経科
ページ範囲:P.1003 - P.1010
文献購入ページに移動 抄録 種々の予後不良因子を持ち,治療に抵抗した女子破瓜病患者の治療経過の報告と治療ポイントの考察を行った。
本例の最大の問題点は2年近くに渡る緘黙であった。そして治療が進むにつれて,受診抵抗や自殺企図,引きこもりや絶望感などが現われ,治療者は多くの困難を感じさせられた。
こうした患者に対し,治療者は,患者の心情を汲むと同時に患者の姿勢と対決するという二面的アプローチを行い,一定程度の改善をみるところにまで至ったが,このアプローチを中心に各治療ポイントの考察を行った。そしてこのアプローチが,辻のいう治療精神医学の3原則に通ずるものであり,治療成立の基本になるということを述べた。
本例の最大の問題点は2年近くに渡る緘黙であった。そして治療が進むにつれて,受診抵抗や自殺企図,引きこもりや絶望感などが現われ,治療者は多くの困難を感じさせられた。
こうした患者に対し,治療者は,患者の心情を汲むと同時に患者の姿勢と対決するという二面的アプローチを行い,一定程度の改善をみるところにまで至ったが,このアプローチを中心に各治療ポイントの考察を行った。そしてこのアプローチが,辻のいう治療精神医学の3原則に通ずるものであり,治療成立の基本になるということを述べた。
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