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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻9号

1986年09月発行

文献概要

研究と報告

抗てんかん薬療法中に高アンモニア血症と昏睡を来したてんかんの1症例

著者: 末吉利行12 宮里好一1 小椋力1 西平竹夫3 豊永一隆3 玉城聡3

所属機関: 1琉球大学医学部精神神経科学講座 2現所属:国立療養所琉球病院 3沖縄県立中部病院内科

ページ範囲:P.1067 - P.1070

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 抄録 抗てんかん薬療法中に,高アンモニア血症と昏睡を来したてんかん患者の1例を報告した。肝障害などの臓器障善はなかった。抗てんかん薬は,一日量としてバルプロ酸ナトリウム(VPAと略す)800mg,カルバマゼピン400mg,フェニトイン150mgなどが与薬され,血中濃度は治療有効濃度内,あるいはそれ以下であった。高アンモニア血症と昏睡の原因は,VPAと考えられたが,併用されていた他の抗てんかん薬の影響も否定できないと思われた。脳波は,全般性で高振幅の徐波が律動的に出現しており,三相波に近い波形も一部に認められた。高アンモニア血症と昏睡の出現機序について考察し,抗てんかん薬療法時,とくにVPAを使用する際の注意点を述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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