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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻1号

1987年01月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病急性期消退後の抑うつ感

著者: 津村哲彦12 谷矢雄二3 田口弘之1 宮崎清1 松岡邦彦1

所属機関: 1杏林大学医学部精神神経科学教室 2武蔵野中央病院 3医療法人社団大和会大内病院

ページ範囲:P.97 - P.104

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 抄録 精神病院の外来分裂病者933人の中から,急性期消退後に抑うつ感を訴えた55人について,その概観と病者の心理状態・環境の問題・自殺等について考察した。
 急性期消退後に抑うつ感を訴える病者は,分裂病患者全般の中で,人格の崩れの少ない群であり,寛解・適応状態も経済状態も比較的良い。そして,その抑うつ感は,精神療法的アプローチや環境への配慮にて充分に改善の余地のある反応性抑うつのことが多く(60.0%),疾患による自己の変化とそれに付随する環境の変化に悩むのである。更に,内因性抑うつの合併や急性期消退後疲弊抑うつ,薬物性抑うつ,そして,単なる欠陥の表現の場合もあり,的確な判断と慎重な対応が要求される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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