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研究と報告
晩発単極性うつ病の慢性化についての一試論
著者: 高井昭裕1 植木啓文1 児玉佳也1 曽根啓一1
所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1033 - P.1039
文献購入ページに移動我々は,慢性化,遷延化の病態が如何であれ,人格構造と状況構造の内的関連を重要視し,〈過剰負荷遂行型〉と〈過剰不安反応型〉の2類型をとり出した。前者の患者は周囲からの要請に対し完全主義的,強迫的に答えようとし,能力以上の負荷を自らに強いる結果,慢性化,遷延化に至るものである。従って,治療上環境調整が重要となる。後者では猜疑的,神経質的に身体症状,薬物副作用にこだわることが慢性化,遷延化に大きく関与していると考えられ,従って,現実に焦点を合わせた長期にわたる精神療法が重要となろう。またいずれの場合も,感情よりも意欲の障害がめだっていた。
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