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研究と報告
一卵性双生児のうつ病の男性不一致例
著者: 大橋正和1
所属機関: 1新潟大学医学部精神科
ページ範囲:P.1041 - P.1048
文献購入ページに移動 抄録 うつ病を発症した一卵性双生児の男性不一致例の症例について,その発達史を中心に比較検討した。一卵性双生児では,同じ遣伝素質を有しているため,発症の不一致の要因を環境因の違いに求めることができる。
本症例のうつ病発端児では,母の受容不足を代償する形で,「へばりつき傾向」が発展してきたが,この「へばりつき傾向」の特徴は,対人的に「all or nothing」という形で,全面的に依存できる対象にはすべてをさらけ出して「へばりつき」,それ以外の人には心を閉ざし,感情を抑えつけ,うつ的自閉に近い形を取る。
本症例のうつ病発端児では,母の受容不足を代償する形で,「へばりつき傾向」が発展してきたが,この「へばりつき傾向」の特徴は,対人的に「all or nothing」という形で,全面的に依存できる対象にはすべてをさらけ出して「へばりつき」,それ以外の人には心を閉ざし,感情を抑えつけ,うつ的自閉に近い形を取る。
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