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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻10号

1987年10月発行

文献概要

研究と報告

分裂病初期の内因性うつ状態について

著者: 津村哲彦1 牧野英一郎1 井上博文1 牧野真理子1 高橋弘美1 藤浪竜哉1

所属機関: 1武蔵野中央病院

ページ範囲:P.1049 - P.1055

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 抄録 内因性うつ状態から直接分裂病過程に進展した22症例について,種々の事項の検討から,分裂病初期抑うつを2つの類型(単純抑うつ型・循環病近縁抑うつ型)に分けて考えられることを示した。
 これらは,内因性うつ病に近似的症状を呈するが,分裂気質や分裂病の負因を持つ者が多い。全例痩せ体型で,一般的抗うつ薬療法に対して反応性が不良で,そのまま分裂病過程に移行していく。この分裂病初期抑うつの症例では,制止は目立つものの内因性うつ病程重要なものではなく,妄想気分の萌芽とも思われる内容のない漠然とした性格を帯びたとらえどころのない不安を伴うことが多く,予後は不良のものが多かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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