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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻10号

1987年10月発行

文献概要

研究と報告

不安性障害の臨床的研究—DSM-ⅢRの適用

著者: 北村俊則1 越川法子2 島悟3 藤原茂樹3 鈴木忠治3 宮岡等3 片山信吾3 萩生田晃代3 伊藤斉3

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所 2防衛医科大学校 3慶応義塾大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1073 - P.1079

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 抄録 DSM-Ⅲの改訂版であるDSM-ⅢR(草案)の不安性障害の基準を84名の外来および入院患者にあてはめた結果,1)恐慌性障害(45名)と社会恐怖(21名)が高頻度に認められ,空間恐怖が多い欧米の結果と差異を生じた。2)発症年齢について不安性障害の亜型ごとに特徴があり,発症年齢からは恐慌発作を伴う空間恐怖は純粋の空間恐怖よりも(空間恐怖を伴わない)恐慌障害に近く,これはDSM-ⅢRの新しい亜型分類を支持するものと考えられた。3)強迫性障害の親族の40%に不安性障害を認めた。4)経過中に抑うつ状態を認めたものは13%であり,抑うつ状態は不安性障害の罹患期間の比較的長い患者に出現し,二次性のものであると考えられた。DSM-ⅢRの適用自体も問題なく行えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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