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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻10号

1987年10月発行

文献概要

研究と報告

外来精神病者の予後調査—コンピューター・フォローアップシステムよりの脱落例の検討

著者: 内田又功1 津田彰2 古賀五之1 坂元俊文1 西川正1

所属機関: 1医療法人社団清和会西川病院 2久留米大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.1081 - P.1090

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 抄録 清和会西川病院外来精神病者(精神分裂病者・躁うつ病者)のフォローアップシステムに1979年より1984年の5年間,コンピューター登録された症例(817名)の中で,追跡脱落症例となった224名について予後調査を行った。有効回答145名の回答を集計,分析した結果,1)躁うつ病者と比べて,分裂病者の多く(とくに破瓜型と分類不能型)は調査時点で症状を有しており,他病院で加療中であった。また分裂病者の大部分は単身で,就労していなかった。2)服薬なしでも症状がないと回答した寛解者の割合及び持続寛解日数は,分裂病者よりも躁うつ病者の方が有意に上回った。今回の結果より,コンピューターによってフォローアップ中の外来精神病者の予後を調べた前回の報告と同様に,脱落症例においても,分裂病者の社会的適応状態は躁うつ病者のそれと比べて劣っていること,病型によって予後が異なる傾向にあることなどが示された。しかしながら分裂病者であっても,3年以上完全寛解を続けている症例が7例(躁うつ病者は20例)あり,治癒例が少数ながらあることが分かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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