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雑誌詳細

文献概要

短報

Ephedrineを主成分とする鎮咳去たん剤による精神障害の同胞例

著者: 向井泰二郎1 人見一彦1

所属機関: 1近畿大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.1099 - P.1102

I.はじめに
 Ephedrineを多く含有する市販の鎮咳去たん剤である新エスエスブロン液W(以下ブロン)を,はじめは鎮咳を目的として使用していたが,次第にその気分高揚作用をおぼえ,欲求不満解消の目的に長期大量乱用の末,精神分裂病類似の幻覚妄想状態を呈した症例と,情動不安定,焦燥感,覚醒発作などの中枢性刺激症状を呈した症例の同胞例を経験した。この2例の臨床経過と,病因論および乱用に至った動機の時代的変遷について著者の得た過去の文献をも交えながら考察を加える。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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