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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻11号

1987年11月発行

文献概要

研究と報告

慢性精神分裂病の臨床的特徴と抗精神病薬に対する反応性—重症群と軽症群の比較

著者: 堀彰1 永山素男12 高橋信介1 関根義夫1 島田均1 明石俊男1 大久保健1 宮崎知博1 渡辺実1 有馬邦正1 原重幸1 西村隆夫1 嶋崎加代子1 石井澄和2 島薗安雄3

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科 2国立精神・神経センター武蔵病院精神科臨床検査部 3国立精神・神経センター

ページ範囲:P.1203 - P.1210

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 抄録 昭和30年から45年の間に発病し,現在50歳以下の精神分裂病患者のうち,最近3年以上,継続入院している「重症群」(50例)と,最近3年以上入院したことがない「軽症群」(35例)について比較検討した。1)両群は九大式精神症状評価尺度得点,三大学法行動評価表得点,罹病期間に対する入院期間の比,転帰において有意の差を示した。2)九大式精神症状評価尺度項目を因子分析し,3つの因子を得た。第1因子は情意鈍麻,思路障害,病識欠如などに高い負荷を示し,その得点は重症群で有意に高く,臨床的重症度を最もよく反映していると考えられた。第2因子は幻覚と妄想に高い負荷を示した。3)重症群は軽症群より有意に多量の抗精神病薬を投与され,血中抗精神病薬濃度も高値であった。すなわち,重症群は抗精神病薬を投与されているにもかかわらず,精神症状の改善しない難治患者群と考えられた。4)重症群の血清prolactin濃度は上昇しており,軽症群より高い(男性)か差がなく(女性),両群でD-2受容体の反応性には著しい差はないと推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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