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特集 躁うつ病とセロトニン
はじめに
著者: 高橋三郎1
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.1254 - P.1254
文献購入ページに移動 三環系抗うつ薬やモノアミン酸化酵素阻害剤の著しい効果が広く認められるようになって,精神障害の中でも躁うつ病がセロトニンのような神経伝達物質の研究によって最も早く解明されるだろうという期待があった。私は,ここ20年間,その進展を見守ってきたが,生化学的定量法の技術革新や中枢神経薬理学理論の新しい展開に比べれば,思いの外進展がなかったといえよう。
その原因を探ってみると,第一に,こうした臨床研究にあり勝ちな対象患者の均質性の問題,第二に,患者材料採取の制約があり,そして第三には,脳機能と物質変化の対応という複雑な問題を解明するには不十分な実験計画しか作れないという問題がある。
その原因を探ってみると,第一に,こうした臨床研究にあり勝ちな対象患者の均質性の問題,第二に,患者材料採取の制約があり,そして第三には,脳機能と物質変化の対応という複雑な問題を解明するには不十分な実験計画しか作れないという問題がある。
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