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研究と報告
女子学生層における異常食行動の調査
著者: 野上芳美1 門馬康二1 鎌田康太郎1
所属機関: 1日本大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.155 - P.165
文献購入ページに移動 抄録 女子学生層における気晴らし食いを中心とする異常食行動の発現率を調査するとともに,摂食に対する態度を反映する質問紙であるEating Inventoryを施行して相互の関係をも検討した。対象は通常の生活をしている女子高校生,女子大生などのほか,減量が要求され,気晴らし食いのリスクが高いと考えられる体育大学の学生をも含む1,250名の学生であった。気晴らし食いは一般の高校生の7.5%,女子大生の8.3%に認められ,体育大生では33.8%(種目によっては最高57.1%)のものにそれが認められた。週1回以上の気晴らし食いをするものは,高校生1.3%,女子大生4.0%,体育大生14.2%であった。気晴らし食いの発現率とEating Inventoryの得点との関係をみると,摂食の意識的な制御と抑制の喪失をあらわす因子の得点との間には有意な相関関係が認められた。
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