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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻2号

1987年02月発行

文献概要

研究と報告

Clonazepam(リボトリール®)の抗うつ作用

著者: 岸本朗1 国元憲文1 挾間秀文1

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.183 - P.197

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 抄録 40名のうつ状態(大うつ病25名,双極感情障害11名,神経症性うつ病3名,分裂感情病1名)の患者に対して,抗けいれん薬クロナゼパム(CZP)1日量1.0〜8.0mg(平均3.4mg)を投与し,その抗うつ作用を検討し,以下の結果を得た。早期脱落例1例を除き,大多数が6週の治療予定を満了し,39例についてCZPの抗うつ作用の判定が可能であった。ハミルトンうつ病評価尺度得点は1週で治療開始前の57%へと有意(p<0.001)に低下し,以後6週まで漸進的に低下した。有効率(著明+中等度改善)は1週で64%,3,4週で74%に至った。大多数では作用発現が1週以内にみられた。症状別にみた治療効果では生殖器症状,早朝覚醒などの一部の症状を除いた全抑うつ症状を有意に改善させた。しかし遷延例では4週以降にうつ症状の再悪化を示すものがあった。CZPの抗うつ作用は強力,速効性であり,うつ病治療での有用性が期待できると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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