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短報
思春期女子にみられた祈祷精神病の1例
著者: 有賀やよい1 三木秀樹2 小林豊生3 中嶋照夫3 金井秀子4
所属機関: 1京都府立心身障害者福祉センター付属リハビリテーション病院 2黄檗病院 3京都府立医科大学精神医学数室 4京都教育大学学校保健教室
ページ範囲:P.203 - P.205
文献購入ページに移動祈祷精神病は,吉野7)よると「民間信仰ないし(近代)民衆宗教の儀礼(加持,祈祷,行,まじないなど),またはこれと関連する信仰状況において起こる心因性精神障害」と定義されており,臨床的には憑依症状群を主症状とし急性一過性に経過するといわれている。われわれは,学校でのストレス状況下において,人格変換,幻視,幻聴,意識混濁などの多彩な精神症状を呈した症例を経験し,その背景には家族ぐるみで某新興宗教に入信してから習慣となった読経後のトランス状態が存在することを見い出した。今回その病状の経過と発生原因について若干の考察を加えて報告する。
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