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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻3号

1987年03月発行

研究と報告

遅発性ジスキネジアのCT研究

著者: 高宮真樹1 田上聡1 佐久間啓1 中里弘2 伊藤斉1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 2精神医学研究所付属東京武蔵野病院心理室

ページ範囲:P.265 - P.272

文献概要

 抄録 中等度の遅発性ジスキネジアを有する精神分裂病入院患者15例のCT所見を,これと性,年齢,病型,罹病期間,抗精神病薬投与期間・総投与量等に有意差のない対照群18例のそれと比較検討したところ,尾状核頭部とレンズ核の面積およびdensity,両側尾状核間の最小距離,第3脳室の最大幅,VBR等のすべての計測項目について,両群間に有意差はなかった。次に,対象全例をロボトミーの有無で2群(有5例,無28例)に分けて比較検討したが,両群間のすべての計測項目に有意差はなかった。これらの結果に若干の文献的考察を加えた結果,遅発性ジスキネジア発現における個体側因子としての基底核を含む脳器質的変化の識別は,今回のような中等度の症状を有する症例については,現在のCTでは困難と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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