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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻3号

1987年03月発行

文献概要

研究と報告

FPN-Forrest test(急速尿呈色試験)による服薬維持の試み(第1報)—新たな判定方式について

著者: 岩成秀夫1 飯塚博史1 小田豊美1 酒井正雄1

所属機関: 1神奈川県立芹香院

ページ範囲:P.283 - P.291

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 抄録 精神分裂病患者の再発予防を主な目的として,服薬状況を把握するための簡便で客観的な方法について検討した。その1つにphenothiazine系薬物に対する急速尿呈色試験であるForrest test(FPN)があるが,多剤併用の現状への考慮等より新たな判定方式を考案した。即ち,phenothiazinc核の濃度を基準にした「カラーチャート」と「判定用標準グラフ」を用いる方式である。このカラーチャートより判定した場合,服薬量が一定ならぼ星色反応の強さの日内変動は精々1段階以内に留まり,再現性も比較的良好であることがわかった。また,服薬量の変化は速やかに呈色反応の強さに現われるとの結果が得られた。さらに,尿比重と呈色反応の強さは正の相関の傾向にあり,呈色反応の色調はphenothiazine系の各薬物に対応して一定の分布を示していた。この新たな判定方式を用いることにより,Forrest test(FPN)は現在もなお臨床的に有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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