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文献概要

研究と報告

Thioridazine投与中にTorsade de Pointesを呈した1例—突然死の一成立機序について

著者: 切池信夫1 前田泰久1 泉屋洋一1 西脇新一1 片原節1 撫井弘二1 川北幸男1 錦見俊雄2 竹内一秀2 武田忠直2

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2大阪市立大学医学部第一内科

ページ範囲:P.301 - P.309

 抄録 42歳のPick病が示唆された女性患者の異常行動に対して,thioridazine 100〜150mg/日,cyproheptadine 12mg/日,sulpiride 300mg/日,promethazine 50mg/日を投与したところ,18日後に,致死性頻拍性心室性不整脈であるTorsade de Pointes(TDP)の誘発と肝障害を生じた。すべての薬剤投与を中止し,一時ペースメーカーを設置することにより,TDPの消失と肝機能の正常化をみた。本例は,thioridazineを少量短期間投与中にTDPが誘発されたもので,phenothiazine系薬剤投与中に起こる原因不明の突然死の原因の一つとして,TDPの発生が示唆された。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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