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アタッチメントと社会性の発達—正常と異常(第2回)
著者: 作田勉1
所属機関: 1慶応大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.350 - P.359
文献購入ページに移動Ⅱ.特定状況の影響
次に,具体的な特定状況の子ども達への影響を以下に記す。
1.施設での養育
施設で育った子が有する問題は,母性剥奪(母性遮断maternal deprivation)としてBowlbyが1946年に発表した。彼は,これらの子が成人になると持続的な対人関係を築けないことが特徴のaffectionless psychopathyになること,また,その原因としては乳幼児期の代理母親が頻繁に交代することに一因があるのではないか13)と述べた。同様な報告として,Goldfarbは,少なくとも3歳まで施設で育てられた子は,罪悪感の欠乏,愛情飢餓,対人関係維持の障害が認められると報告した49)。
次に,具体的な特定状況の子ども達への影響を以下に記す。
1.施設での養育
施設で育った子が有する問題は,母性剥奪(母性遮断maternal deprivation)としてBowlbyが1946年に発表した。彼は,これらの子が成人になると持続的な対人関係を築けないことが特徴のaffectionless psychopathyになること,また,その原因としては乳幼児期の代理母親が頻繁に交代することに一因があるのではないか13)と述べた。同様な報告として,Goldfarbは,少なくとも3歳まで施設で育てられた子は,罪悪感の欠乏,愛情飢餓,対人関係維持の障害が認められると報告した49)。
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