icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻4号

1987年04月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病及びその近縁疾患の入院薬物療法に関する統計学的研究

著者: 武南克子1 原田俊樹1 曾良一郎1 佐藤光源2 大月三郎1

所属機関: 1岡山大学医学部精神科 2東北大学医学部精神科

ページ範囲:P.379 - P.388

文献購入ページに移動
 抄録 昭和49年から58年までに岡山大学附属病院神経精神科を退院した精神分裂病圏の患者342名を対象に,人口統計学的諸指標をはじめとするさまざまな要因を総合した退院時転帰の研究を試み,薬物投与量やその種類,主剤や単剤,多剤など現実の入院治療の実態を調査した。その結果,①寛解群は女性が多く発病年齢,入院時年齢が高く入院期間が短かった。②寛解群では最大処方時,退院時ともbutyrophenone主剤型が多く少量で治療されていた。③軽快・不変群は総服薬量が多く,特に退院時はphenothiazine主剤型であった。④病群,病型別には中核群,特に破瓜型で最も寛解率が低く,辺縁群では寛解率が高かった。⑤さらに処方薬物の分析では中核群,中でも破瓜型の特徴は転帰別の軽快,不変群の特微にほぼ一致し,辺縁群の特徴は寛解群の特徴に近かった。以上の結果に古典的な予後研究及び近年の薬物反応性に関する研究の見地から若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?