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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻4号

1987年04月発行

文献概要

研究と報告

一卵性双生児にみられた不完全一致のGilles de la Tourette症状群

著者: 野本文幸1

所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.389 - P.394

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 抄録 血清学的に一卵性であることが確認された男子双生児1組にみられた不完全一致のGiHes de la Tourette症状群を経験した。一方はDSM-Ⅲの「トウーレット障害」,もう一方は「非定型チック障害」であった。本双生児は,脳波,聴性脳幹反応,出生体重,発育,身体的所見,既往歴,そして基本的な性格特徴はよく類似していたが,習癖,日常の行動,各種の心理検査では相違が認められた。これらの結果は,従来の本症状群の双生児例の報告や家族研究の結果と併せて考えると,チック症としての発症には遺伝因子を含む生物学的背景が関与し,症状の軽重には心理的因子が関与すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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