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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻4号

1987年04月発行

研究と報告

Triazolam(Halcion®)依存の2症例

著者: 国芳雅広12 有川勝嘉12 三浦智信1 中村純2 稲永和豊2

所属機関: 1筑水会病院 2久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.417 - P.421

文献概要

 抄録 short-acting benzodiazepineであるtriazolamの依存の2例を経験した。症例1は35歳男性で神経症的不安や不眠を背景としてnitrazepamその他の多剤依存の傾向が生じていたところにtriazolamの自己施用が始まった。triazolamの施用は頻回大量であり,精神的依存に加え断薬時に離脱症状の出現をみ,身体的依存を生じていた。これは断薬時の種々の自律神経症状や精神病様症状に加えて脳波の経時的変化からも支持された。最大施用量は1日80mgであった。症例2は63歳男性で,抑うつ・不眠に対してtriazolamの自己施用が始まった。精神的依存の傾向が強かったが施用量が頻回大量でなかったためか離脱症状はみられなかった。最大施用量は1日5mgだった。
 このように比較的安全とされるtriazolamであっても,その施用量が頻回大量であれば精神的依存のみならず身体的依存を生じる可能性もあり,その使用にあたっては慎重を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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