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研究と報告
精神分裂病群における微小循環障害の可能性—向精神薬による静脈血ガス分析の異常よリ
著者: 武井満1
所属機関: 1東京都立松沢病院
ページ範囲:P.423 - P.431
文献購入ページに移動 抄録 精神分裂病群患者の採血をしていると,静脈血にもかかわらず動脈血のように鮮紅色を呈する例があることから,その機序と原因を明らかにするために,血液ガス分析を主に静脈血について行った。
その結果,分裂病群では鮮紅色を呈する静脈血のO2分圧は高くなっており,動脈血の性状に近くなっていることが明らかにされた。この事実を微細血管構築である動静脈吻合を中心とする微小循環の障害という視点から考察した。また,haloperidolやdiazepamの静注により同様な現象が再現されたことから,向精神薬をその原因として推定した。
その結果,分裂病群では鮮紅色を呈する静脈血のO2分圧は高くなっており,動脈血の性状に近くなっていることが明らかにされた。この事実を微細血管構築である動静脈吻合を中心とする微小循環の障害という視点から考察した。また,haloperidolやdiazepamの静注により同様な現象が再現されたことから,向精神薬をその原因として推定した。
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