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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻5号

1987年05月発行

文献概要

研究と報告

イミプラミンの薬物動態に関する人種差の研究

著者: 岸本朗1 国元憲文1 田村辰祥1 水川六郎1 小村文明1 大石正平2

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2吉富製薬研究開発部 3

ページ範囲:P.487 - P.492

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 抄録 健常日本人(成人男子)12名と健常米国人(コーカサス系白人,成人男子)12名の2群を対象にイミプラミン単回投与時の薬物動態を比較した。両被験者群間には年齢,体重などについて有意の差を認めなかった。イミプラミンの生体内半減期(t1/2(β))は日本入被験者が米国人被験者より有意に長く,消失速度定数(Ke)は有意に小さかった。血漿中薬物濃度下面積(AUC)は日本人被験者が米国人被験者に比べて大きい傾向にあった。イミプラミンの活性代謝物であるデシプラミンの薬物動態パラメータについては両被験者群間で差違を認めなかった。以上の結果から,日本人におけるイミプラミンの蓄積率は米国人のそれより高く,生物学的利用率も高いものと考えられた。この薬物動態の差違は,本邦と欧米諸国における抗うつ薬の1日使用量の差違と何らかの関係を有しているものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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