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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻5号

1987年05月発行

文献概要

研究と報告

久留米大学におけるコンサルテーション・リエゾン医療—御用聞き的発想

著者: 三重野謙二1 中村純1 高向和宜1 児玉英嗣1 原尻慎一郎1 堀川喜朗1 向笠広和1 稲永和豊1 堀川公平2

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室 2堀川病院

ページ範囲:P.539 - P.543

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 抄録 わが国におけるコンサルテーション・リエゾン精神医療はまだ歴史が浅い。本格的なコンサルテーション・リエゾンサービス(CLS)を行っているという施設は少なくないが,そのほとんどはコンサルテーションの域を離れていないのが現状であろう。その理由として,一つにはCLSの対象となる総合病院,中でも大学病院における特殊性としての各科の独立性や頻回のスタッフの異動があげられる。もう一つのより根本的な問題としては,当事者間の潜在的(前意識,無意識的)問題を表面化させることを出来る限り避けようとする日本人特有の精神構造があるのではないかと思われる。こうした面を考慮し,久留米大学ではコンサルテーションとリエゾンの機能を兼ね備えた「御用聞き」的発想(堀川)に基づき,昭和58年よりCLSを開始した。本論文では,カルテ及びアンケート調査の結果を報告するとともに,「御用聞き」的システムについても考察を行う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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