文献詳細
巻頭言
文献概要
精神病の概念については,古代から現代に至るまで,様々な変遷を経てきていることが知られている。かかる変遷は,個々の精神事象にも当て嵌めてみることができよう。そして,その背景には,時代文化や時代精神が影響し,あるいは逆に,精神事象そのものが,それらの一表現となっていることもありそうである。
特に,トーテムとその歴史的推移については,精神医学と深い関係があるように見える。トーテムは,極めて素朴な心性の産物であろう。自然への畏怖を覚えた時,自然の中で逞しく生きている動物などの能力に想いを托し,それを守護神としていく過程が考えられる。かかる心性は,現代においても縁起を担いだり,神仏を拝んだりすることの中に,トーテム信仰や,そのことにまつわるタブー的名残りとしてよく見かけるのである。
特に,トーテムとその歴史的推移については,精神医学と深い関係があるように見える。トーテムは,極めて素朴な心性の産物であろう。自然への畏怖を覚えた時,自然の中で逞しく生きている動物などの能力に想いを托し,それを守護神としていく過程が考えられる。かかる心性は,現代においても縁起を担いだり,神仏を拝んだりすることの中に,トーテム信仰や,そのことにまつわるタブー的名残りとしてよく見かけるのである。
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