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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻6号

1987年06月発行

文献概要

研究と報告

右眼窩脳の脳梗塞が病因に考えられた一過性記銘力障害と逆行性健忘の1症例

著者: 上杉秀二1 福沢等2 渡辺哲夫1 小島卓也1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2山梨医科大学精神神経医学教室

ページ範囲:P.597 - P.602

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 抄録 急激に発症し,明らかな意識障害を認めず約1カ月間にわたる一過性の記銘力障害,および逆行性健忘を示した1症例(38歳,女性)を報告する。本症例では,CT scan,脳波検査,心理検査を縦断的に施行し,これらの結果から右前頭葉内側(眼窩脳)の脳梗塞と診断した。記憶障害の病巣部位については,乳頭体—視床—視床下部—帯状回—海馬の記憶系が提唱され,間脳や側頭葉が重要な部位と考えられ,また前頭葉も注目されているがまだ明確ではない。今回,本症例から前頭葉と記憶障害について,考察してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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