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研究と報告
血液灌流による悪性症候群の治療
著者: 西村学1
所属機関: 1麻生飯塚病院腎臓内科
ページ範囲:P.625 - P.634
文献購入ページに移動 抄録 抗精神病薬の重篤な副作用の一つに悪性症候群がある。その治療として種々の薬物が用いられているが,それでも,致死率は20〜30%にも及んでいる。当科では,今までに5例の同症候群を経験し,何れも血液灌流(direct hemoperfusion)で著しい改善が得られ,全例救命することができた。しかも,薬物療法に比べて,諸症状消失までの期間を短縮することが可能であった。
5例中3名は抗精神病薬の非経口的投与により,1名は経口的投与によって発症していた。また,1例は薬剤の中断を契機として症状の出現をみたものであった。同療法の効果発現機序として,吸着による原因薬剤と二次的な増悪因子の除去が考えられる。1例に血中カテコラミンの測定を行ったところ,急性期に著増しており同療法によって低下をみている。
5例中3名は抗精神病薬の非経口的投与により,1名は経口的投与によって発症していた。また,1例は薬剤の中断を契機として症状の出現をみたものであった。同療法の効果発現機序として,吸着による原因薬剤と二次的な増悪因子の除去が考えられる。1例に血中カテコラミンの測定を行ったところ,急性期に著増しており同療法によって低下をみている。
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