文献詳細
動き
文献概要
精神疾患,特に機能性精神病の病因や病態生理への生物学的アプローチは,近年の神経生化学,電気生理学,画像診断技術,神経心理学等の進歩に伴い大きな関心を集めており,また脳の動的作用機構や統合機構についての研究も飛躍的な進歩を遂げている。このような時期に,精神疾患を生物学的に,脳機能のダイナミズムという観点から考えようとする本会議が日本で開催されたことは意義のあることと思われる。本会議の第1回Hemisphere Asymmetries of Function in Psychopathology(1978)はロンドン大学のGruzelier博士の主催で,第2回Laterality and Psychopathology(1982)はアルバータ大学Flor-Henry教授の主催で開かれてきた。第3回は東京医科歯科大学の高橋 良教授の主催で1986年10月14日〜18日,箱根の山のホテルにて開催された。海外からの33名を含む187名の参加者により46のシンポジウムと24のポスター演題について活発な議論が交わされた。筆者は日本委員として本国際会議に参加する機会を得たので,シンポジウムを中心に報告と印象を簡単に述べてみたい。シンポジウムは6つのセッションに分かれて行われた。
掲載誌情報