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研究と報告
9歳の一卵性と考えられる双生児に認められたFolie à deux(ヒステリー感応型)
著者: 野本文幸1
所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.829 - P.835
文献購入ページに移動 抄録 9歳女児の一卵性と考えられる双生児に同時期に認められた,食物の吹出しと犬の遠吠え様の持続的捻り声を示す病態を経験した。本双生児たちは,実母と但母(実母の姉)とによって別々に育てられたが,両家は近所にあるため患児達もよく一緒に遊んでいた。2人の感冒罹患時,それまでA(姉)には食物の吹出しが,B(妹)には唸り声が認められ,2人一緒に二人部屋に入院したことを契機に,入院した翌朝には食物の吹出しがAからBに,捻り声がBからAに伝播し,以後2人とも全く同じ症状を示した。そして,2人の分離によってAの吹出しと捻り声,Bの吹出し,つまり伝播した症状,は速やかに消失した。
本例は双生児間の感応精神病(ヒステリー感応型)と考えられ,いわば「双生児間相互感応型」と称せられる病態であった。また,患児達の示した捻り声は,ヒステリー性失声に対して「ヒステリー性発声」と呼べることを報告した。
本例は双生児間の感応精神病(ヒステリー感応型)と考えられ,いわば「双生児間相互感応型」と称せられる病態であった。また,患児達の示した捻り声は,ヒステリー性失声に対して「ヒステリー性発声」と呼べることを報告した。
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