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文献詳細

雑誌文献

精神医学29巻8号

1987年08月発行

研究と報告

うつ病と体重変化

著者: 辻本哲士1 山田尚登1 高橋三郎1 下田和孝1 藤田昌紀1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.847 - P.855

文献概要

 抄録 7年間に入院した大うつ病(DSM-Ⅲ)の症例69例について,入院期間中の体重変化を毎週の実測データに基づいて検討を行い以下の結果を得た。①入院時の体重が標準体重に比べて少ないものは32名(46.4%)で,うち5%以上の低下は19名であった。②寛解退院時の体重は入院時体重と比べて有意な増加は認められず,増加したもの56.5%,減少したもの43.5%であった。すなわち,体重増加は必ずしもうつ病の精神症状軽快の指標とはならない。③体重の変化に影響する因子として診断,性差,薬物について分析した。メランコリーを伴わないものに比べ,メランコリーを伴うもので体重増加傾向がやや大きい傾向が見られた。体重増加に最も影響を与える因子は性差で,女性で体重増加が著しい。イミノジベンジル系の抗うつ剤投与者の53.3%に体重増加がみられ,46.7%に減少がみられた。スルピライド投与者6名にはすべて増加がみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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