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研究と報告
恍惚発作を呈した側頭葉てんかんの1例—いわゆるドストエフスキーてんかんについて
著者: 松井望1 内藤明彦1
所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.857 - P.864
文献購入ページに移動 抄録 恍惚発作を呈した側頭葉てんかんの1例を報告した。症例は61歳の女性で,脳波記録で左前側頭部に棘波を認め,てんかん発作(自動症)時の脳波が記録され,側頭葉てんかんと診断された。本症例の発作は,意識減損発作,自動症,恍惚発作に分類された。恍惚発作の体験内容は,「太陽がカッ,カッと照らしていき,心臓がひきつけられた。太陽の光のもとに万物が輝いていると神様が教えて下さったと感じ,うれしくて,幸せで感謝の涙が吹き上げた」というもので,ドストエフスキーの記述した恍惚発作と多くの共通点が指摘できた。さらに恍惚発作の特徴,てんかん発作における位置づけ,喜悦発作との異同,成立機序について考察した。
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