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文献詳細

雑誌文献

精神医学3巻1号

1961年01月発行

特集 妄想の人間学—精神病理懇話会講演ならびに討論

E. Minkowskiの妄想論とその周辺

著者: 小木貞孝1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.15 - P.26

文献概要

Ⅰ.Minkowskiの妄想論
 ここにEugene Minkowskiの妄想論をテーマとして選んだのは多少あるもくろみがあつてのことである。というのは,Minkowskiの学問的立場がいわゆる現象学的立場にあり,フランスの古典的妄想学説とはかなりかけはなれたものをもつと同時に,わが国で精神医学領域の代表的現象学者と目されているJaspersとは立場を異にしていること,またBinswangerの現存在分析とやや視点を別にしたところがあることで,Minkowskiを中心にして考えることによつて相互の関係や相異が,かなり明らかに,とらえられると思うからである。ただし,このもくろみは非常に大きな問題であつて,とうていかぎられた紙面内で論じつくされたり結論を出したりできるものではない。で,私はただ1つの問題を提起するというつもりで考察をすすめていきたい。
 Minkowskiの思想的背景には2人の哲学者の名をあげねばならない。BergsonとHusserlがそれである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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