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文献詳細

雑誌文献

精神医学3巻1号

1961年01月発行

特集 妄想の人間学—精神病理懇話会講演ならびに討論

討論 精神病理懇話会講演をめぐつて

著者: 霜山徳爾1 宮本 荻野 阿部正2 小木

所属機関: 1上智大学 2慶応大学神経科 3信州大学 4慶応大学 5慈恵医大

ページ範囲:P.41 - P.47

文献概要

 霜山徳爾(上智大学教授) 小木さんに御質問します。Minkowskiが自分の若いときのことを書いたものの中に,自分がまだ医学の勉強を始めたころ,その当時の機械論的な要素主義的な行き方とい5ものにどうしても不満でいたときに,自分が2つの著作にあつたと聞いております。その1つはBergsonの意識に直接与えられたもの,それからもう1つはMax SchelerのSympathieに関する心理学といつておりますが,SchelerはHusserlの系統ですから,もちろんHusserlの影響を受けたということになりますけれども,実際はSchelerを媒介としたのじやないのか。そうしますと,Schelerの考え方とMinkowskiの考え方の連関をもう少し見たらおもしろくはないかなという気がいたしました。
 それからもう1つは,Bergsonの時間の体験をそのままMinkowskiはとつたのじやないのじやないかということであります。それは,Bergsonは客観的な時間と,生きられ,体験された時間というものを区別しますけれども,Minkowskiはむしろそういう区別はおかしいと言つているようです。つまり,この2つを止揚した考えを,Minkowskiはもつているのじやないかと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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