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研究と報告
精神病者の放弄火に関する研究
著者: 広瀬伸男12 飯田康雄12 山口弘三12 岩崎敏夫12 緑川澄子12
所属機関: 1名古屋市立大学医学部精神神経科教室 2一ノ草病院
ページ範囲:P.831 - P.835
文献購入ページに移動放弄火についての精神医学的業績は少なくないがFisher, O.,1932;1933のいう「病的放火」の研究は乏しい。ここに近ごろ私どものえた病的放火ことに精神病者の放弄火について,2,3の知見を報告する。
対象とした「放火」とは,火を使い財物などを焼く行為を単にさしてその行為者に刑法上の公共の危険の認識いかんを問わず,また消火義務あるものの消火拒否のような不作為行為を含まず,「弄火」とは非合目的な火の濫用で火そのものに有意義性があると考えられる火のもて遊びをさすこととし,あえて区別して比較検討した。しかしながら精神病者という性質から一面において刑法上の放火と失火とを区別することは至難である。
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