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文献詳細

雑誌文献

精神医学3巻10号

1961年10月発行

研究と報告

自殺を中心とした老人の精神衛生学的1考察

著者: 大原健士郎1 奥田裕洪1 廿楽昌子1 増野肇1

所属機関: 1慈恵医大精神神経科教室

ページ範囲:P.837 - P.843

文献概要

Ⅰ.はしがき
 青年層の自殺の激増のため,わが国の自殺率は,絶えず世界の上位を占め,各界の注目を集めている。われわれも先に,自殺を中心とした青少年の精神衛生学的な調査成績を報告したが,従来,自殺の研究は,自殺者の実数が大半青少年層に占められているため,青少年の調査に重点がおかれているようである。しかし,ここで見逃すことのできないのは,老年層における自殺率が非常に高率を占める事実である。すなわち,第1図表に大正9年および昭和33年のわが国の男女自殺率を年令別に示したが,いずれも24才を中心としての自殺率の高率と60才前後からの激増が目立つている。特に今日注目されている20〜24才の自殺率より,老年層の自殺率が,遙かに高率を占めていることは注目すべきことである。
 一方,W. H. O. 2)の報告に基づいて,わが国の老人の自殺率を他の国々のそれと比較すると,男女共にわが国の自殺率が著るしく高率を占めることがわかつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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