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文献詳細

雑誌文献

精神医学3巻11号

1961年11月発行

文献概要

研究と報告

進行麻痺の病後歴

著者: 明石淳1 石川俊輔1 吉田光雄1 森井章二1 大島重利1 宮佐恭平1 多田勲1 岩田高1

所属機関: 1徳島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.913 - P.919

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緒言
 われわれが日常精神病患者を扱つていて,いつも心に残ることは,これらの患者たちがわれわれの手を離れたのち,どんな運命をたどつているであろうかということである。進行麻痺については,マラリヤ療法出現以前の,そのまま放置すれば,大多数が数年を経ずして死亡してしまつていた時代1)に比べると,現在のわれわれは,はるかに有効な治療法をもつてはいる。しかしわれわれの行なつた臨床統計2)でも示されるように,退院時にどうにか一人で社会に適応してゆけるもの(治癒,社会寛解を含めて)は,わずかに32.6%で,まだまだ十分な治療体制が確立されたとはいえない。
 このようなことから,資料は十分ではなかつたが,われわれの治療法の反省や,この疾患の今後の医療的あるいは社会的な対策について,なにがしかの示唆がえられたらと思い,この病後歴の調査を行なつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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