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研究と報告
進行麻痺の病後歴
著者: 明石淳1 石川俊輔1 吉田光雄1 森井章二1 大島重利1 宮佐恭平1 多田勲1 岩田高1
所属機関: 1徳島大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.913 - P.919
文献購入ページに移動われわれが日常精神病患者を扱つていて,いつも心に残ることは,これらの患者たちがわれわれの手を離れたのち,どんな運命をたどつているであろうかということである。進行麻痺については,マラリヤ療法出現以前の,そのまま放置すれば,大多数が数年を経ずして死亡してしまつていた時代1)に比べると,現在のわれわれは,はるかに有効な治療法をもつてはいる。しかしわれわれの行なつた臨床統計2)でも示されるように,退院時にどうにか一人で社会に適応してゆけるもの(治癒,社会寛解を含めて)は,わずかに32.6%で,まだまだ十分な治療体制が確立されたとはいえない。
このようなことから,資料は十分ではなかつたが,われわれの治療法の反省や,この疾患の今後の医療的あるいは社会的な対策について,なにがしかの示唆がえられたらと思い,この病後歴の調査を行なつた。
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