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反抗反応—「親に対して攻撃,依存性を有する精神病質人格者について」 補遺
著者: 辰沼利彦12 亀井啓輔12
所属機関: 1慶大医学部神経科 2桜ヶ丘保養院
ページ範囲:P.129 - P.136
文献購入ページに移動前掲の論文において著者はその親への攻撃機制をつぎの3型に分けた。すなわちⅠ.自己の知能,性格,とくにその社会的適応性の乏しいことを自覚し,ふかい劣等感をもち,それを親の教育,躾の故として親を攻撃するもの。Ⅱ.社会的非行がすでにあつて,それに対する親の意見,叱責が彼らの劣等感と,実際には空虚な自負心を刺激して攻撃機制がおきるもの。Ⅲ.幼少時の親の冷遇,無理解な——本人がそう思つているかぎりの——躾,叱責に対して意識的な復讐を誓うものである。彼らの両親の中には相当に性格偏倚があつたり,家庭内での行動や子供に対する態度がいちじるしく適切でないものもあつたが,多くは子供の側に極端な性格偏倚があつて,親の態度は単に彼らの非行の合理化や自己偽瞞への手がかりを与えるにすぎないものが多かつたのである。しかしその後症例を増し,調査,考察を進めた結果,子供の人格よりむしろ親のほうに多くの問題を含むと考えられるものもあり,本稿はその点についてふれてみたい。
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