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研究と報告
精神医学の診断について
著者: 越賀一雄1
所属機関: 1大阪医科大学神経科
ページ範囲:P.683 - P.689
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われわれは以前に「精神医学」に作話症についての論文を寄稿し,その冒頭において精神病学における診断がいかなる性格のものであるかという問題については根本的にカントの判断力批判を十分に理解してかからねばならないが,これについてはいずれ稿を改めてのべるつもりであるといつた。
私は数年来親しい友人たちとともに坂田徳男先生のもとで判断力批判について研究を続けており,現在もなお継続中であつて,決してこの難解な書を十分に理解したなどとは毛頭考えておらないが,さりとて十分に理解できたなどと思える日まで待つていてはいつまでたつてもこの問題についてのべることができないように思えるので,お粗末,未熟な点は後日あらためて考えなおすことにして,あまり流行の問題ではないが,すでに予告している手前,大胆にのべ,そして最後にこの問題と関連して,現代における精神病理学の一つの使命といつたものについても若干ふれておきたいと思う。
われわれは以前に「精神医学」に作話症についての論文を寄稿し,その冒頭において精神病学における診断がいかなる性格のものであるかという問題については根本的にカントの判断力批判を十分に理解してかからねばならないが,これについてはいずれ稿を改めてのべるつもりであるといつた。
私は数年来親しい友人たちとともに坂田徳男先生のもとで判断力批判について研究を続けており,現在もなお継続中であつて,決してこの難解な書を十分に理解したなどとは毛頭考えておらないが,さりとて十分に理解できたなどと思える日まで待つていてはいつまでたつてもこの問題についてのべることができないように思えるので,お粗末,未熟な点は後日あらためて考えなおすことにして,あまり流行の問題ではないが,すでに予告している手前,大胆にのべ,そして最後にこの問題と関連して,現代における精神病理学の一つの使命といつたものについても若干ふれておきたいと思う。
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