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研究と報告
うつ状態に対するAmitriptyline(Tryptanol)療法
著者: 桜井図南男1 疋田平三郎1 西園昌久1
所属機関: 1九州大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.713 - P.721
文献購入ページに移動さて,Thymolepticsという言葉はKuhn(2)が名づけたもので,情動調整剤と訳されているが,Imipramineが抗うつ作用をもつことを発見し,その作用が従来の鎮静薬,静穏薬,刺激薬とは趣きを異にし,うつ病の障害部位Dysordinations-punkteに選択的に作用するものであろうと考えた。Imipramine(Tofranil)がうつ状態の根本的改善作用を薬理学的にもつかどうかは別として,治療効果についてはすでに定評のあるところで,日常の臨床において欠くことのできない薬物とされている。ただ傾眠,鼻閉,口渇,低血圧,振せん,発汗などの副作用がかなりあらわれることが欠点である。
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