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文献概要

展望

代謝異常による精神発達障害の治療—第1回

著者: 成瀬浩1

所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所,診断研究部

ページ範囲:P.6 - P.15

I.はじめに
 精神発達障害という場合,主なものは精神遅滞であるが,精神遅滞という場合には,知能低下が,平均の-2S. D. を越えるものという定義が広く使用されている。このような知能低下は示さないで,しかも精神発達の障害を示すものとして,注意欠陥症候群,自閉症などが考えられる。(DSM-Ⅲの発達障害の頃では,他にReactive attachment disorder of infancyが含まれる。しかしこれらは代謝異常とは関係ないと推論されるので,ここでは除外する。)
 これらの障害と関係ある代謝異常としては,先天性代謝異常が主なものであるが,他に,先天性水俣病あるいは鉛中毒などの中毒によるものがある。また,自閉症患者の一部には,先天性か否かは全く不明だが,ある種の代謝異常が存在することも発見されている。これらの問題の中で筆者の関心のある面を中心にして,最近のトピックに触れてみたい。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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