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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻1号

1988年01月発行

研究と報告

糖尿病コントロール中に大食症を合併した1症例

著者: 古川壽亮1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.53 - P.59

文献概要

 抄録 20歳時に糖尿病を診断され,そのコントロールのため入退院を繰り返すうちに,23歳頃から典型的なbinge eatingを始めbulimiaを呈した1女性例を報告した。bulimiaの発症にはしばしば美容を目的とした減食期の先行することが知られているが,本例では糖尿病コントロールのための食事療法が同様の契機となったと考えられた。このような意図的節食の失敗がloss of self-controlとしてbinge eatingへ導く心理機制を,症例の心理検査・治療過程から得られた所見を基に指摘した。
 糖尿病とbulimiaの合併はその生命予後の重篤さ,難治性,およびbulimiaの心理機制の理解への寄与からして格別の注目に値すると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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