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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻1号

1988年01月発行

研究と報告

殺人を犯した覚醒剤中毒・アルコール依存症の1例

著者: 大原浩一1 堀尾直樹1 野村和弘1 川口浩司1 板谷武彦1 星野良一1

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科教室

ページ範囲:P.77 - P.81

文献概要

 抄録 覚醒剤中毒およびアルコール依存症と診断され,治療を受けていた患者で,殺人を犯した症例を鑑定する機会を得た。症例は10代後半から,アルコールおよび覚醒剤に手を出し,恐喝などの問題を繰り返して起こしていた。犯行当時,覚醒剤中毒によると思われる幻覚が持続していた。飲酒テストにより容易に幻視・幻聴が惹起され,易暴力的になり,また,犯行後,事件の記憶は急速に薄れてくるという健忘を呈している。これらのことより,本症例は飲酒による病的酩酊を呈したともいえるし,覚醒剤使用経験者のフラッシュバック現象ととらえることも可能であり,単一の概念で理解することは困難であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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